免疫性血小板減少症(ITP)をはじめとする血小板疾患を診療しています。
血小板の数だけでなく、出血の状態や暮らしも踏まえ、経過観察や治療の方針を相談します。
ITPとは
血小板は、血管が傷ついたときに出血を止める働きをする血液の成分です。
ITPは免疫の働きが血小板を攻撃し、血小板が少なくなる病気です。
以前は「特発性血小板減少性紫斑病」と呼ばれていました。
成人では長く経過することもあり、症状や検査結果を確認しながら付き合っていくことが大切です。[1]
気づくきっかけ・症状
あざができやすい、皮膚に赤紫色の小さな点が出る、鼻血や歯ぐきの出血が続く、月経の出血が多いなどがみられます。
一方、自覚症状がなく、健康診断などの血液検査で血小板の減少を指摘される方もいます。[1]
診断のために確認すること
血小板が少ないだけで、すぐにITPと決まるわけではありません。
出血の経過、服用中の薬、これまでの病気を伺い、血液検査などでほかの原因がないか調べます。
ITPを一つの検査だけで確定することは難しく、結果を総合して診断します。[2]
血小板以外の血球にも異常がある場合などには、追加の検査を検討します。
骨髄検査をすべての方に行うわけではありません。[3]
治療の考え方
治療の目的は、出血の危険を減らし、安心して生活できる状態を保つことです。
血小板の数や出血の程度、年齢、ほかの病気、服薬、手術の予定などを踏まえ、治療が必要かを判断します。
状態によっては、定期的な検査で経過をみることもあります。[3]
治療には、副腎皮質ステロイドや免疫グロブリン、血小板を作る働きを促す薬などがあります。
効果や副作用、病気の経過に応じて、別の薬や脾臓を摘出する手術を検討する場合もあります。
選択肢の利点と負担をお伝えし、患者さんのご希望も伺いながら方針を考えます。[2][3]
暮らしの中で相談したいこと
運動や仕事、歯科治療・手術の予定については、出血の状態に合わせて相談しましょう。
市販の痛み止めやサプリメントにも出血に影響するものがあるため、使用しているものを診察時にお知らせください。
圧迫しても出血が止まらない場合は、予約日を待たず医療機関にご相談ください。[1][2]
受診・ご紹介について
血小板の減少を指摘された方や、ITPの治療について相談したい方は、かかりつけ医・現在の主治医にご相談ください。
当科では地域の医療機関や多職種と連携し、病状だけでなく、生活やお気持ちにも目を向けて診療します。
参考資料
- Provan D, Newland AC. Current Management of Primary Immune Thrombocytopenia. Adv Ther. 2015;32(10):875–887. doi:10.1007/s12325-015-0251-z.
Rodeghiero F, Michel M, Gernsheimer T, et al. Standardization of bleeding assessment in immune thrombocytopenia: report from the International Working Group. Blood. 2013;121(14):2596–2606. doi:10.1182/blood-2012-07-442392. - Provan D, Arnold DM, Bussel JB, et al. Updated international consensus report on the investigation and management of primary immune thrombocytopenia. Blood Adv. 2019;3(22):3780–3817. doi:10.1182/bloodadvances.2019000812.
- Neunert C, Terrell DR, Arnold DM, et al. American Society of Hematology 2019 guidelines for immune thrombocytopenia. Blood Adv. 2019;3(23):3829–3866. doi:10.1182/bloodadvances.2019000966.
