フォン・ヴィレブランド病(VWD)、血友病A・B、後天性血友病など、血液が固まり、出血を止める仕組みに関わる病気を診療しています。
出血の原因を調べ、日々の生活や手術の予定も踏まえて治療を考えます。

出血しやすさが気になる方へ

鼻血を繰り返す、あざができやすい、月経の出血が多い、抜歯や手術の後に血が止まりにくかったなどは、診察時に伝えていただきたいことです。
症状の強さは人によって異なり、日常生活では気づかず、処置を受ける際に分かることもあります。[1]

主な病気

フォン・ヴィレブランド病(VWD)

血小板が傷ついた血管に付着するのを助ける「フォン・ヴィレブランド因子」の量や働きに問題がある病気です。
鼻や口、月経に伴う出血などがみられ、病型や出血歴に合わせた対応が必要です。[1]

血友病A・B

血液を固める凝固因子のうち、第VIII因子が少ない、または十分に働かないものが血友病A、第IX因子の場合が血友病Bです。
けがや処置後の出血のほか、関節や筋肉など体の内側で出血することもあります。

因子の働きや出血の状態を確認して、治療方針を考えます。[2]

後天性血友病

生まれつきの血友病とは異なり、凝固因子の働きを妨げる自己抗体ができる病気です。
代表的な後天性血友病Aでは、第VIII因子の働きが妨げられます。

出血を抑える治療と、自己抗体を作る免疫の働きを抑える治療を、全身状態に合わせて検討します。[3]

診断のための検査

これまでの出血や抜歯・手術の経験、ご家族の出血歴、服用中の薬を確認します。
血球数や血液が固まるまでの時間を調べ、必要に応じて凝固因子やフォン・ヴィレブランド因子の量・働きを詳しく調べます。

検査結果と実際の出血の状態を合わせて判断します。[1][2]

治療と日々の備え

治療には、不足する因子を補う方法や、出血を抑える薬などがあります。
出血したときの治療に加え、病状に応じて出血を予防する治療も検討します。

歯科治療や手術の前には、処置を担当する医療機関と止血の方法を相談することが大切です。
病気の種類や重症度、ご本人の生活に合わせて治療を選びます。[1][2]

当院の診療体制と地域連携

当院は、日本血栓止血学会の「血友病診療連携地域中核病院」です。
同学会の地域中核病院リスト(2026年8月21日時点)には、日本大学医学部附属板橋病院と、診療担当責任診療科の小児科・血液・腫瘍内科が掲載されています。[4]

地域の医療機関や専門施設、多職種と連携し、継続的な診療と暮らしの支援に取り組んでいます。

受診・ご紹介について

出血しやすさや検査の異常を指摘された方、治療について相談したい方は、かかりつけ医・現在の主治医にご相談ください。
出血歴や検査結果、お薬の情報が診療の参考になります。

参考資料

  1. James PD, Connell NT, Ameer B, et al. ASH ISTH NHF WFH 2021 guidelines on the diagnosis of von Willebrand disease. Blood Adv. 2021;5(1):280–300. doi:10.1182/bloodadvances.2020003265.
    Connell NT, Flood VH, Brignardello-Petersen R, et al. ASH ISTH NHF WFH 2021 guidelines on the management of von Willebrand disease. Blood Adv. 2021;5(1):301–325. doi:10.1182/bloodadvances.2020003264.
  2. Srivastava A, Santagostino E, Dougall A, et al. WFH Guidelines for the Management of Hemophilia, 3rd edition. Haemophilia. 2020;26(Suppl 6):1–158. doi:10.1111/hae.14046.
  3. Tiede A. Immunotherapy of acquired hemophilia A. Hematology Am Soc Hematol Educ Program. 2023;2023(1):19–23. doi:10.1182/hematology.2023000461.
  4. 日本血栓止血学会 血友病診療連携委員会. 地域中核病院リスト(2026年8月21日時点、PDF).