悪性リンパ腫と診断された方、リンパ節の腫れなどを指摘され、詳しい検査をお考えの方へ。日本大学医学部附属板橋病院 血液・腫瘍内科では、病気の種類や状態に合わせた診療を行い、患者さんとご家族の暮らしにも目を向けながら、治療を一緒に考えます。

このページのご案内

悪性リンパ腫とは

悪性リンパ腫は、白血球の一種で、免疫を担う「リンパ球」ががん化する病気です。悪性リンパ腫には多くの種類(病型)があり、進み方や適した治療が異なります。一般に首・わきの下・足の付け根などの腫れやしこり、発熱、寝汗、体重減少などをきっかけに見つかることがあります。[1][2]

リンパ節の腫れは感染症などでも起こるため、症状だけで悪性リンパ腫とは判断できません。気になる変化が続く場合は、まずかかりつけ医やお近くの医療機関にご相談ください。[3]

診断と治療方針を決める検査

治療を考えるうえでは、「どの種類のリンパ腫か(病型)」と「体のどこに広がっているか(病期)」を確かめることが大切です。[4]

  • 生検:リンパ節や病変の組織を採り、顕微鏡などで調べて、診断と病型を確認します。
  • 画像検査:CTやPET/CTなどを、病型や状況に応じて用い、病気の広がりを調べます。
  • 血液検査など:血球数や臓器の働き、感染症などを確認します。必要に応じて骨髄検査なども検討します。

検査の組み合わせは患者さんごとに異なります。検査の目的や結果をお伝えし、治療方針をご相談します。[4]

当院では耳鼻咽喉科や形成外科、心臓血管外科などの専門科と連携し、適切なリンパ節から生検を行っています。

主な病型と、病型別の解説

代表的な4つの病型について、病気の特徴と検査・治療の考え方をご案内します。

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)

比較的速く進行するB細胞リンパ腫です。
病気の広がりや全身状態を確認し、抗体薬と抗がん薬などによる治療を検討します。[1][5]

濾胞性リンパ腫

ゆっくり進行することが多い病型です。
症状や病変の大きさなどによって、治療を始める場合と、定期的に経過を確認する場合があります。[5]

T細胞リンパ腫

免疫を担うT細胞から生じ、複数の病型を含みます。
病理検査で詳しい種類を確かめ、それに合う薬物療法などを検討します。[5]

ホジキンリンパ腫

特徴的ながん細胞を認めるリンパ腫です。
病期や全身状態などを踏まえて、薬物療法や放射線治療を検討します。[2]

このほか、マントル細胞リンパ腫やMALTリンパ腫など、さまざまな病型があります。[5]

治療の考え方・当院の診療

治療は、病型・病期、症状、年齢や全身状態などを踏まえて選びます。抗がん薬や抗体薬などの薬物療法を中心に、放射線治療を組み合わせる場合もあります。一部の病型では、治療を開始する時期も含めて検討します。[5]

当院では、悪性リンパ腫に対する化学療法・薬物療法を外来または入院で行い、病状や適応に応じて自家造血幹細胞移植などの治療も検討します。輸血細胞治療センター、臨床検査部、放射線治療科、薬剤部などと連携して、診断から治療、その後のフォローアップまで診療します。[6]

再発・難治性のB細胞リンパ腫とCAR-T療法

再発した場合や、これまでの治療で十分な効果が得られなかった場合も、病型や治療歴に応じて次の治療を検討します。一部のB細胞リンパ腫では、CAR-T療法が選択肢となることがあります。CAR-T療法は患者さん自身の免疫細胞を用いる治療で、強い副作用に対応できる専門的な管理が必要です。[7][8]

当院では再発・難治性のB細胞リンパ腫に対するCAR-T療法を積極的に実施しています。対象となる病型や治療歴、全身状態などを確認し、現在の主治医の先生と連携して適応を検討します。悪性リンパ腫の治験・臨床試験についても、現在の主治医の先生を通じてお問い合わせください。[9]

治療と暮らしを支えるために

治療が一区切りした後も、再発の兆候や治療の影響を確認するため、定期的な診察を続けます。
診察や血液検査、必要な画像検査の内容・間隔は、病型や受けた治療、体調に合わせて調整します。[4]

治療のことだけでなく、つらさや不安、仕事や家事、ご家族のことなど、気がかりもお聞かせください。医師・看護師・薬剤師などの多職種が連携し、患者さん一人ひとりの状況や大切にしていることを伺いながら、治療と生活を一緒に考えます。

当院は東京都板橋区にあります。板橋区・練馬区・中野区・豊島区・北区などの近隣地域や、川口市・戸田市・蕨市などの埼玉県南部から受診をお考えの方にも、現在の主治医・かかりつけ医と連携し、専門的な治療と地域での継続診療をつなぎます。

受診・ご紹介について

詳しい検査や専門的な治療をお考えの方は、まず現在の主治医・かかりつけ医に、当院への紹介をご相談ください。初診の予約や必要な持ち物は、受診案内からご確認いただけます。CAR-T療法を検討されている方も、まず主治医の先生にご相談ください。

参考文献・参考資料

  1. Armitage JO, Gascoyne RD, Lunning MA, et al. Non-Hodgkin lymphoma. Lancet. 2017;390(10091):298–310. DOI: 10.1016/S0140-6736(16)32407-2.(総説)
  2. Shanbhag S, Ambinder RF. Hodgkin lymphoma: A review and update on recent progress. CA Cancer J Clin. 2018;68(2):116–132. DOI: 10.3322/caac.21438.(総説)
  3. Gaddey HL, Riegel AM. Unexplained Lymphadenopathy: Evaluation and Differential Diagnosis. Am Fam Physician. 2016;94(11):896–903.(総説)
  4. Cheson BD, Fisher RI, Barrington SF, et al. Recommendations for initial evaluation, staging, and response assessment of Hodgkin and non-Hodgkin lymphoma: the Lugano classification. J Clin Oncol. 2014;32(27):3059–3068. DOI: 10.1200/JCO.2013.54.8800.(診療推奨・Lugano分類)
  5. Eyre TA, Cwynarski K, d’Amore F, et al. Lymphomas: ESMO Clinical Practice Guideline for diagnosis, treatment and follow-up. Ann Oncol. 2025;36(11):1263–1284. DOI: 10.1016/j.annonc.2025.07.014.(欧州ESMO診療ガイドライン)
  6. 日本大学医学部附属板橋病院:血液・腫瘍内科の公式診療案内
  7. Epperla N, Kumar A, Abutalib SA, et al. ASTCT Clinical Practice Recommendations for Transplantation and Cellular Therapies in Diffuse Large B Cell Lymphoma. Transplant Cell Ther. 2023;29(9):548–555. DOI: 10.1016/j.jtct.2023.06.012.(米国ASTCT診療推奨)
  8. Santomasso BD, Nastoupil LJ, Adkins S, et al. Management of Immune-Related Adverse Events in Patients Treated With Chimeric Antigen Receptor T-Cell Therapy: ASCO Guideline. J Clin Oncol. 2021;39(35):3978–3992. DOI: 10.1200/JCO.21.01992.(米国ASCO診療ガイドライン)
  9. 日本大学医学部附属板橋病院:CAR-T療法・専門外来の公式案内